
東野圭吾作品の大人気「ガリレオ」シリーズ!
今回は2022年9月17日にフジテレビで実写ドラマ化された「禁断の魔術」について、小説と実写の違いやネタバレを中心にご紹介していきたいと思います。
「禁断の魔術」作品紹介
天才物理学者・湯川学の下に、同じ高校を卒業した古芝伸吾が訪れる。
4月憧れの帝都大に入学したものの、育ての親でもあるたった1人の姉が亡くなった。
死因は「子宮外妊娠による卵管破裂」。
父親は誰?
帝都大を中退し、ある町工場に就職した伸吾。
そんなある日、新聞記者だった伸吾の姉の担当する代議士を追っていたフリーライターの男が遺体で見つかる。
その直後、伸吾は突然と姿を消した。
科学を制するものは世界を制する。科学は善なのか悪なのか。
姉の死をきっかけに、さまざまな人々が交錯していく科学ミステリー。
「禁断の魔術」詳細
あるホテルのスイートルームで、女性の遺体が発見された。
女性の下半身からは大量の血が。
宿泊名簿には偽名で書かれた女性の名前のみ。
警察の調べで、女性の死因は「子宮外妊娠による破裂のための失血死」。
女性は1人だったのだろうか。それとも誰かいたのだろうか。
この女性、ホテルの常連で常にスイートルーム。そして偽名。誰かと待ち合わせしていたのでしょうか。
それなら、なぜ救急車を呼ばなかったのか。
それとも1人の時に起こった出来事なのか。
謎は深まります。
一方帝都大の化学科にはある男子学生が入学。男子学生の名前は古芝伸吾。
古芝は湯川の元を訪れ、お礼の挨拶をした。
その帰り、古芝は姉が亡くなったことを警察の連絡で知ることになるのだった。
ホテルで亡くなったのは古芝伸吾の姉だったようですね。
せっかく憧れの帝都大に入学し、これからたくさんの学びが待っていたというのに中退することになるなんて辛いです。
でも中退までしなくても、大学に在籍することはできたのではないでしょうか。
舞台は変わり、光原町。
ようこそ科学の街へという看板とともに、建設反対の看板も掲げられている。
代議士の大賀仁策によるビックプロジェクト「スーパーテクノポリス計画」通称ST。
日本の科学を結集した街にすべく、代議士の大賀が動いているが、光原町には貴重な生物も多く反対の声も上がっている。
特に原子力関連の研究施設エリアでは、放射能漏れの恐れがあり、反対の声は大きく工事は大きく遅れているのであった。
科学の発展も大事だけど、自然も大事。共存て難しいですよね。
自分が住んでいる地域なら尚更です。
ある町工場「クラサカ工機」。
大きい工場とは言えないその会社に、1人の男子学生が5月に中途採用された。
工場の1人娘、高校生の倉阪由里奈はその高卒の男の子のことが少し気になっていた。
ある日、会社の電話番をしながら苦手な数学の勉強をしていたところ、後ろからスラスラと問題を解く男の子の声が聞こえる。
中途採用された古芝伸吾だった。
由里奈は伸吾のことを少しずつ意識するようになっていくのだった。
青春ですね。
甘酸っぱい。
そんな伸吾の元に湯川が訪れる。
由里奈は伸吾から、尊敬する人だと教えられるのだった。
伸吾はとにかく真面目で、由里奈の父親でもある社長からも一目置かれていた。
時には夜中まで機械の操作を学んでいることもあった。
ある日、そんな伸吾に差し入れを届けようと考えた由里奈。
しかし、そこで由里奈はある衝撃的な現場を目撃するのだった。
伸吾は純粋に仕事のために夜遅くまで会社に残っていたわけではなさそうですね。
由里奈が目撃したものとは一体何だったんでしょうか。
そんなある日、屋形船の操縦席が運航中にいきなり燃えるという事件が発生。
そしてある1LDKの部屋では、フリーライターの長岡修という男の絞殺したいが発見され、草薙、内海たちが捜査に当たっていた。
被害者のスマホ、タブレット、ボイスレコーダーは持ち去られているものの、パソコンのところにあるメモリーカードが残されていた。
確認すると建物がいきなり白い煙に覆われ、次の瞬間、建物には大きな穴が空いていたのだった。
第一発見者は長岡の交際相手、渡辺清美。
事件の心当たりは全くないが、メールのやり取りなどを確認すると「ST」という内容が出てきた。
ここで読者には光原町のスーパーテクノポリス計画と倉田の接点が見えてきましたね!
今回の事件はこの「ST」計画が鍵になりそうです。
警察の調査が進むにつれ、長岡がSTのことだけではなく、代議士の大賀のプライベートも執拗に調べていたことが判明する。
しかしここで長岡と意外な人物の接点が出てくる。
草薙と内海は湯川の元へ行くことになるのだった。
湯川と長岡が関わっている?
どういうことなのでしょうか。
帝都大の湯川研究室に入る2人。
長岡から電話があり、会ったことを湯川に問うのでした。
長岡は湯川に礼のメモリーカードの中に保存されていた動画について聞きたかったようだ。
動画だけでは何も判断できないと伝えたという湯川。
2人のカップルがある夜、禁止エリアでデートをしている。
男が女にプロポーズをするようだ。
バイクを止め、東京の小さな星空を眺める2人。
これからプロポーズをしようとするその瞬間、急にバイクが燃え上がったのだった。
またおかしな現象が起きましたね。
長岡の事件と何か関係があるのでしょうか。
場所は変わり、長岡の地元、光原町では長岡の葬儀が行われていた。
捜査として内海も参加したが、ちょうど長岡の交際相手、清美を発見する。
できれば清美の知り合いとして参加させてもらえるようお願いする内海。
通夜振る舞いの席に清美と参加した内海は、ST反対派の住人たちと顔を合わせることになるのだった。
そこで出会ったのは、反対派のリーダー格と言われるキノコレストラン経営の勝田、書店経営の米村だった。
内海は勝田たちにどうしてST計画に反対なのかを尋ねた。
回答はこうだ。
観光客で賑わうのは最初だけ。そして何より自然破壊が気になるという。
特に勝田が経営しているレストランのキノコを採取している場所には、放射能関連の施設が建設予定となり、食べ物を扱う立場としては大反対している様子だった。
しかし反対運動は下火気味。
その理由として、どこからか反対派の情報が漏れているのではないかという噂もあると米村が言った。
科学と自然の共存て本当難しいですよね。
科学のおかげで便利になるけど、一方でどうしても自然は減ってしまう。
反対運動もずっと続けられる人ばかりではないですね。実際お金をもらったら、やめてしまう人もいそうです。
自然がなくなるのは嫌だけど、すごく困るかといえば普通に生活している人にとっては少しくらい自然が減っても困らないというのもげんじょうなのかもしれません。
しかし、反対派の情報が漏れているという噂はただの噂なのか、それとも何か裏があるのでしょうか。
ある古い倉庫では、また奇妙な現象が起きていた。
特に使われてもいない倉庫だったため、警察に届けは出さなかったが、ある朝いきなり大きな穴が空いていたのだという。
草薙と内海は、最近起こる不可解な現象について頭を悩ませていた。
さらに草薙には上司から大賀代議士のプライベートを探るような捜査は止めるよう言われていたのだった。
そんな話をしているとき、部下の岸谷が長岡の周辺の捜査をして、クラサカ工機にたどり着いたという情報を持ってきた。
そしてクラサカ工機では、長岡の事件の後に行方不明となっている従業員がいるという。
その人物の履歴書を確認し、調査する草薙たち。
そしてその人物が高卒と嘘をつき、クラサカ工機に入社していたことをつきとめます。
4月に帝都大の工学部に入学していた人物。
さらにその履歴書に書いてある高校は、湯川の母校なのでした。
ここで古芝、湯川、長岡の接点が見えてきましたね。
帝都大に入学したものの、お姉さんの死により退学したと考えられる古芝。
湯川とは何か接点がありそうでしたが、母校というつながりがあったようです。
長岡は湯川にも接触していますし、何かもっと深いつながりがあるのかもしれません。
草薙たちはさっそく帝都大に向かった。
今まで起きた奇妙な事件について、再度湯川に助言をもらうためだったが、資料を見た湯川は何か考え込んだような様子も伺える。
そしていきなり講義の時間だからと研究室を出ようとすのだった。
草薙は、湯川に出身高校について言葉を投げかけた。
そして古芝伸吾の名前を挙げたが、湯川の反応は「それで?」という程度だったのだった。
あれ?おかしいですね。
古芝と面識ありますよね。なぜ湯川は正直に言わないのでしょうか。
さて、登場人物が複雑に絡み合ってきたこの事件。
なんとなくピンときた方もいるのではないでしょうか?
古芝伸吾が最も怪しい容疑者となってきていますが、果たして本当にそうなのでしょうか。
長岡が湯川のところにやってきた経緯は何だったのでしょう。
ここから複雑なストーリーが二転三転していきますよ!
「禁断の魔術」原作と実写の違い
さて「禁断の魔術」は2022年9月17日にフジテレビでドラマ化されたのですが、原作とは結構違う構成となりました。
私は原作派ですが、皆さんはどうでしょうね。
簡単に原作と実写の設定の違いをご紹介します。
- 内海薫は別の牧村という女性刑事に変更
- 古芝伸吾は工学部ではなく医学部に入学
- ドラマではお馴染みの助手の栗林が出演
- 長岡の殺害方法が違う
- 内海の代わりの牧村が代議士のパーティーに潜入
他にも細々と原作との相違はあります。
その中でも私が最も気になったのは、牧村刑事と助手の栗林さん。
やっぱりガリレオの相方は内海で、さらに柴咲コウさんが良いんですよ。
新木優子さんも好きなんですけど、ガリレオ湯川の変人ぶりに、しかめっ面をする柴咲コウさんの内海が合う!
また、今回も味のある助手の栗林さんが出てきて、ちょいちょい愛すべきいじられキャラを演出してくれるんですが、今回は事件解決のきっかけともなるある物証を栗林さんが発見するんですよ。
原作を読んでいないと気にならないのかもしれませんが、私のとても個人的な意見としては、その物証を発見するきっかけのシーンが好きだったので、ちょっと残念でした。
「禁断の魔術」感想
「禁断の魔術」は原作、実写ドラマともおもしろかったのですが、やっぱり原作の方がおもしろかったです。
ガリレオシリーズは物理科学がメインなので、実写化するにはかなりセットに時間をかけているのでしょうね。
バイクの発火事件などは、とてもリアルに表現されていて良かったです。
疑問だったのは、なぜ古芝伸吾の進学先が工学部から医学部になったのかなんですよね。
工学部機械工学科の方が、禁断の魔術のストーリーにぴったりなんですよ。
原作、実写の違いで多い事ですが、イメージしていた雰囲気と実写の俳優さんのイメージがちょっと違うことが多くて、その時点で既に違和感を感じてしまう実写派です。