
小学校1年生の国語は文字の形に厳しい
小学校1年生の国語は字形に厳しいと感じたことはありませんか。
文字の形は個人差があって、美文字の人もいれば何を書いているかちょっと読めない人もいますよね。
大人になるとある程度読める字なら問題なく過ごせます。
ではなぜ小学1年生の国語の授業ではとても字形を気にするのでしょうか。
小学1年生の国語の授業が字形に厳しい指導をする目的を私なりに考察してみました。
小学生の文字の形について学習指導要項ではどのように記載されているのか
小学生の字形について学習指導要項ではどのように記載されているのでしょうか。
第1学年及び第2学年
(ア) 姿勢や筆記具の持ち方を正しくして書くこと。
(イ) 点画の書き方や文字の形に注意しながら,筆順に従って丁寧に書くこと。
(ウ) 点画相互の接し方や交わり方, 長短や方向などに注意して,文字を正しく書くこと。
(ア) 姿勢や筆記具の持ち方を正しくして書くこと。
(ア) 姿勢や筆記具 の持ち方を正し くして書くこととはそのままの意味ですね。
これは大切な指導なので低学年のうちにしっかり身に付けてもらえると嬉しいです。
(イ) 点画の書き方や文字の形に注意しながら筆順に従って丁寧に書くこと。
(イ) 点画の書き方や文字の形に注意しながら筆順に従って丁寧に書くことと学習指導要項にはあるのですが、この解釈が難しいと感じています。
学習指導要項にはもっと細かく記載もされています。
点画の始筆から送筆,さらに,終筆(とめ,はね,はらい)までを確実に書き,筆順に従って点画を積み重ねながら文字の形を形成していく過程を意識して書くことが大切である。
※点画とは,文字を構成する「横画,縦画,左払い,右払い,折れ,曲がり,そり,点」などのことである。
そのように意識して書くことが読みやすい文字を丁寧に書こうとする態度を身に付けることにつながる。
丁寧に書こうとする態度を身につけて欲しいという考えがあるんですね。
1つ小学1年生の国語の授業で字形に厳しい理由になると思います。
丁寧に書こうとする気持ちは低学年のうちでなくては伝えて身に付けるのは難しいですよね。
文字の形とは,点画の積み重ねによって形成される文字のおおよその形(概形)のことである。極端にゆがんだ形を生まないように,児童には,文字のおおよその形を把握した上で書くように指導することが求められる。
文字の形についてはおおよその形、概形が極端に歪んだ形ならないようおおよその形を把握した上で書くよう指導すると書かれています。
最初に指で印刷された文字をなぞったり、鉛筆で3回なぞってから自分で書いたりするのは文字の概形を意識して文字の練習をするためなんですね。
(ウ) 点画相互の接し方や交わり方長短や方向などに注意して文字を正しく書くこと。
(ウ) 点画相互の接し方や交わり方長短や方向などに注意して文字を正しく書くこととありますが、点各相互の関係とはどのようなことなのでしょうか。
例えば,「川」の場合,仮に一画目が 他の二画に比べて長すぎたり,その方向が縦方向ではなくて横方向を向いていた りすると,その文字は「川」という文字としては認識されにくい。
例題が書いてありました。文字の長短、方向をしっかり身に付けないと文字の正誤に関わってくるので文字の長短、方向をしっかり指導することは大切なことなのですね。
指導が大切で必要だと分かっていても文字の形の指導が厳しすぎるという声
指導が大切で必要だと分かっていても文字の形の指導が厳しすぎるという声があるのも事実です。
低学年のうちは手先がまだ器用に使いこなせない子もいますよね。
家で練習させなかったから、お絵かきとかしてないんじゃないかなど粗探しをすればたくさんあります。
しかし、初めての学校でひらがなの練習をして極端に歪んだ文字や、とめ、はね、はらいが明らかに間違えている時以外、あまり注意されるとどうして良いか分からなくなります。
文字の形を厳しく指導する意見の中には、低学年のうちでないと字形をしっかり注意できないという意見もあります。
高学年になればもう文字の形に癖はついていますし、低学年のうちは文字の練習ですが、高学年は別な勉強の中で文字の注意まですることになるのでどうしても高学年の文字の形の修正は難しくなりますよね。
それぞれの意見をまとめてみます。
文字の形に厳しすぎる意見
- あるひらがなで横の線が少し右斜め上になっていないと丸をもらえない。(真っ直ぐでも別に読めます。むしろ斜め上になることを知りませんでした。)
- 漢字テストで少しはみ出しただけでも丸をもらえない。
- くっ付いてはいけない画がくっついていて丸をもらえない。(そうだったんだと知らない大人も多そうな文字です。)
厳しくするには理由があるという意見
- 文字の書き方は低学年の時に厳しく指導しないと定着しない
厳しくするには理由があるという意見は大半が文字の書き方は低学年の時に厳しく指導しないと定着しないというものでした。
文字の形が合っていることが大切
文字の形が合っていることが大切です。
文字の形を低学年のうちにしっかり定着させるために厳しく指導する理由は納得しました。
高学年になってからでは本人の日常的な癖もありますし、指導するには時間と労力がかかります。
しかし入試などではどの程度厳しく文字の形をチェックされるのかというと、とめ、はね、はらいという細かい部分よりも全体的に文字の形があっているかどうかということのようです。
もちろんきれいな文字を書くことは素晴らしいことですよね。
低学年のうちに丁寧に文字を書く習慣がついて、文字の形を習得して、だんだんと早く書けるようになると良いですよね。
大切なことは『文字の形が合っている』ことです。
100点は採って欲しいけれど難しいものは難しい
100点は採って欲しいけれど難しいものは難しいんですよね。
自宅に修正しなくてはいけないプリントを持ち帰って来たら一緒に修正しましょう。
イライラしてしまうかもしれませんが、不器用な子は不器用ですし、大切なのは文字の形があっているかどうかです。
細かな部分だけ注意してしまうと今度は文字の形全体を見なくなりますよね。
低学年のうちは100点じゃなくても大丈夫と思って頑張りましょう。
少しでも参考になったら嬉しいです。